説明書の多言語翻訳|テクニカルライティング

技術翻訳 エクセレット株式会社

「DTP編集とは?」IT 工業 産業翻訳/取扱説明書制作

前回は、見積に記載される摘要項目を書きました。

今回は、その中から、DTP編集という作業について書きます。

翻訳作業後の訳文をデータに流し込み、体裁(見た目)を整えていく作業になります。DeskTop Publishing の略です 。

DTP オペレーターという専門職の人材が作業をします。

デザイナーではないんです。
デザイナーの指示通りに仕上げるのがDTPオペレーターです。

Microsoft社のWord/Excel/PowerPointやAdobe社のFrameMaker(フレームメーカー)、InDesign(インデザイン)、QuarkXpress、Illustrator、Photoshop、Robohelp、MadCap 、その他HTML、XMLデータなどのマークアップ言語もあります。

ソフトウェアの取り扱いは多岐にわたります。

さらにバージョンの違いなどもあるので互換性を知ること、経験を積むことが重要になってきます。

神経を使う仕事になるため、細かい作業が好きな人には良い仕事かもしれません。

もちろん正確さも問われます。

翻訳会社で言う DTP は、英和翻訳の場合、英語版のデータを流用して日本語版を作成します。

日本語の訳文を英語版の中に流し込むようなイメージです。(そんなに簡単ではないですが)

マニュアルなどの場合では、Page By Pageが基本ですので、英語版と同様のページ構成にするために、日本語を小さくする、文字間を詰める、行間を詰めるなどの細かい調整が必要になります。

販促資料(会社案内、パンフレット、カタログ)などの場合では、使用するフォントによって見た目が変わる=印象が変わることもあるので注意が必要ですし、限られたページの中で見にくくならないようにする必要があります。

また、英語はシングルバイト、日本語はダブルバイトですので互換性についても知っておくべきですね。

最近では、マニュアル類のデータをHTMLやXMLで作成し、ドキュメント類の更新、管理する方法が増えています。いわゆるCMS(コンテンツマネジメントシステム)ですね。

ワンソースマルチユースの考え方です。よってマークアップ言語の知識も必要です。

Microsoft製品やAdobe製品は、各ソフトごとにバージョンがあるので、お客様から支給されたソフトウェアのバージョンと、自社のバージョンを揃える必要もあります。

翻訳の内容については基本的に関わりませんが、その分、そのほかのポイント(フォントなどの仕様)は、この DTP 工程上で完成させなければなりません。

また、翻訳支援ツールは翻訳者の作業効率を大幅に改善しますが、翻訳後の工程である DTP の部分にも影響します。
トラブルが多くなるのもこのつなぎ目ですし、翻訳会社のノウハウが発揮されるのもこの部分です。

つまり、翻訳者ならびに翻訳チェッカーは後工程のDTPを意識して作業を進めると共に、DTP オペレーターもまた、前工程である翻訳作業を理解した上でファイル処理を行う必要があるのです。
大規模プロジェクトを上手にハンドリングするには、全工程を見渡し指示を出すプロジェクトマネージャのポジションが必要になります。

最後に、DTP オペレーターの仕事は非常に重要なポジションと言えます。
この後に印刷を行うのであれば、印刷用のファイルを作る、Web で使用するのであれば、Web 用のファイルを作る必要があるので、印刷の知識や Web の知識が必要になるのです。

翻訳会社としては、翻訳作業のみなのか、DTP 作業も含めるのかをお客様に確認するのは当然ですが、何も知らないお客様は、翻訳とDTPの区別が付かない場合もあるので注意が必要ですね。

なぜなら、費用と時間に直結する問題だからです。

翻訳者と DTP オペレーターは別人であると覚えていただければと思います。

それでは。

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