説明書の多言語翻訳|テクニカルライティング

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「翻訳会社の選定」IT 工業 産業翻訳/取扱説明書制作

以前、翻訳トライアルについて書きました。

翻訳トライアルを依頼するということは、翻訳会社を選定しようとしている時ですね。

そこで、

翻訳会社選定の判断について書いてみます。

翻訳会社を選定するときに最も分りやすい基準は、

「総額」

あるいは

「単価」です。

その他の判断基準としては、営業担当者の説明や、翻訳トライアルの品質評価などがありますが、実際のところ営業マンが翻訳をするわけではありませんので、営業トークだけでは翻訳会社の実力は分かりません。

また、翻訳トライアルのみ品質を高くする翻訳会社の存在しています。

ある意味、「金額」以外に翻訳業者の提案内容を数値化できる指標は事実上存在しないため、多くの発注者はこれを主たる基準として翻訳業者を選定されていることでしょう。

ですので、今回はまず分かりやすい翻訳料金の観点から、良い翻訳会社を選定するための考え方を説明したいと思います。

話を分かりやすくするため、

「お客様」、

「翻訳会社」、

「翻訳者」、

と順を追ってご説明します。

果たして、翻訳は「高いから質が良い」のでしょうか? 「安いから悪い」のでしょうか?

■お客様

「価格重視」のお客様でなければ翻訳単価が安い翻訳会社はおすすめできません。

「プロの翻訳者が丁寧に仕事ができる単価」ではないからです。

最近は機械翻訳を業務に導入している翻訳会社も出てきておりますので、品質重視のお客様ならば逆に不安に感じられて発注に至る可能性は低いと思われます。

品質重視のお客様ほど選ばれる傾向が強いのが翻訳単価が高い翻訳会社です。

しっかりした営業担当がいて、それなりの金額を取っているところは「堅い」というイメージがあるのかも知れません。「高かろう良かろう。安かろう悪かろう」の考え方ですね。

間違ってはいませんが、注意が必要です。

以下、翻訳会社からの視点でご説明します。

■翻訳会社

一般に受注コストは、品質管理、案件管理、顧客対応が見積に含まれます。

しかし、三次請け、四次請けが発生しているとすればどうでしょうか?

例えばマージンが50%だとして、翻訳会社がマージン40%を取って別の翻訳会社に発注しその翻訳会社が更に三次、四次請けとなれば・・・。

もし他の翻訳会社より高い単価を支払ったにも関わらず、三次請け、四次請けの翻訳者が一次翻訳を担当し、簡単なチェックのみで納品されていたとしたら、「高かろう良かろう」の考え方は通じなくなってしまうのです。

■翻訳者

実際に仕事をするのは翻訳者であり、一次訳を担当する翻訳者の力量が最終納品物の品質に決定的な影響を及ぼすのは事実です。

そして言うまでもなく、「お金」は翻訳者にとっても極めて重要な問題です。

さて、処理能力についてはだいたい次の通りです。

手の早い翻訳者でも英文和訳であれば1時間に処理できるのは500単語、平均的には250単語。いくら使用できるツールが進化しても、ここから飛躍的な高速化はのぞめません。

報酬が三次請けの翻訳者は処理能力が低くなります。

処理能力が高い翻訳者は、単価が高いからです。

プロの翻訳者は基本的にはTOEIC満点に近い英語力を持ち、各分野で長年の実務経験を積んだベテランです。

安い翻訳単価であれば請け負わず、仕事は経験の浅い翻訳者に流れていきます。

また、1時間に500単語を処理できるとしても、無理にスピードアップして品質を落とすかどうかのジレンマが生じます。

つまり、ワリに合わない仕事は、ムリな作業スピードにより品質を落とすか、経験が浅く実力の低い翻訳者が担当するしかなくなるのです。

機械で自動化できない仕事であるだけに、お客様も基本的な視点を持つことが重要です。

ということで、

重要なのは額面の金額ではありません。

最終的に、誰が、どの程度の「単価」で仕事をしているかなのです。

1社ではとても処理できないような量の翻訳を発注されるのでなければ、「その会社が社内で翻訳しているのかどうか」、外注しているとすれば「どのようなところに外注しているのか」を確認することが大切です。

なかなか実態をつかむことは難しいですが、そうすることが、数値化できない品質面の費用対効果をできるかぎり高めるための最も確実な方法です。

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