「スタイルガイドを考える」英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、海外販路拡大、技術文書翻訳
2022年7月21日(木)10:00 流山市
今更ながらですが、スタイルガイドについて考え、勉強してみました。
IT、産業関連の業界にかかわる人からすると、当たり前の概念ですね。
スタイルガイドと言いましても、
あくまで翻訳作業上の仕様書ですね。
デザイン作業とは異なります。
さらに、横書きの文章前提です。
縦書きですとまた別物ですね。
作文用紙の世界です。
ちなみにWikipediaには、
「出版物などにおいて統一した言葉使いを規定する手引き。
主に出版社や学術雑誌などで用いられる」と掲載してありました。
冷静にみると日本語のスタイルは、
漢字、平仮名、片仮名、ローマ字、アラビア数字と多いですね。
日本人は、混在するのに慣れていますよね。
●そもそもスタイルガイドって必要?
・ルールは、まったく無し?それとも適度にあるほうが作業しやすくない?
・メーカーごとにスタイルガイド違うし・・。
●なぜスタイルガイドは必要なのか
○作業上の理由
・1人の翻訳なら統一してあげればよい
・2人以上の翻訳者なら必ず必要
・翻訳後の統一作業より効率的
・作業の流れが円滑
○内容としての理由
・ドキュメント全体の完成度
・文章、ひいては会社の品位
○発注側のみならず請け負う側にも必要
・翻訳品質の目安
・社内工程を整理しやすい
・社内工程が効率的
ということで、お客様、翻訳会社、翻訳者、関係者すべてに
メリットがあると言えるかもしれません。。
●スタイルガイドの構成要素
調べてみると、共通するのは11個でしょうか。
1.文体 2.句読点 3.記号 4.漢字の使用制限 5.漢字と平仮名 6.送り仮名
7.片仮名の長音 8.片仮名の複合語 9.全角と半角 10.スペース 11.数字と単位
後は会社ごとに肉づけすれば良いかと。GUIや見出しのつけかたなど。
企業によっては100ページ程度のスタイルガイドを支給してもらい使用したとはあります。
●最低限抑えるべきルール
1.文体
・敬体、常体
・箇条書きの文体
2.句読点
・英文字を併記するときも読点
3.記号、9.全角と半角
・丸かっこ()
・角かっこ []
・コロン :
・スラッシュ /
・疑問符? 感嘆符! ← 使用の可否も要検討
※数字の全角は特許翻訳の世界です。
IT関連の人には違和感でいっぱいですね。
ちなみに「及び」を漢字にするのも特許翻訳ですよね。
4.漢字の使用制限
・常用漢字が一般的だが、例外もある。
共同通信社の「記者ハンドブック」によると
常用漢字表のうち使わない文字
謁 虞 箇 且 遵 但 脹 朕 附 又 濫
常用漢字表にないが使う文字
磯 牙 瓦 鶴 釜 玩 亀 臼
5.漢字と平仮名
・きわめて/極めて
・さまざま/様々
・ただちに/直ちに
6.送り仮名
・行う○ 行なう×
・表す○ 表わす×
活用語尾を送る。文化庁の内閣告示を参照しました。
・読み込む○ 読込む×
・取り扱う○ 取扱う×
複合語のとき、途中を省略しない。品詞によって変え無い。
学生以来、久しぶりに変格活用に出会いました・・。
7.片仮名の長音
・コンピューター○ コンピュータ△
・ベンダー○ ベンダ△
語尾の長音を省略しないのが主流になりつつあるようです。
・インターフェイス インターフェース
・インタープリター インタプリター
これは用語集の変更、統一も必要ですね。
8.片仮名の複合語
・ウェブ アプリケーション ウェブ・アプリケーション ウェブアプリケーション
中黒を区切りに使う場合、並列に使いにくいですね。
半角スペース空けは、IT系に多いようです。
10.スペース
・全角と半角の間を空ける→減少傾向のようです。
SNSの流行から始まったのでしょうか。
スペースありだと一括置換時に手間ですよね。
11.数字と単位
原則として可算は、算用数字。不可算、慣用は漢数字。
・1つ、500通り 三角形、四捨五入
2進法、二進法→意見が割れています。
●まとめ
・スタイルガイドは、拘束要素ではなく、効率化のカギとして使える。
・自分なり、会社なりの整理も必要。
・チェックツールの活用が効果的。
○ チェックツール
表記ゆれのチェックツールは、様々ありますよね。
Trados StudioのQ&A CheckやWordのチェック機能もありますが、
ジャストシステム社のジャストライトが細かく検証してくれますね。
また、秀丸エディターが検索しやすいです。
○ 全角、半角入力の固定
WindowsですとIME設定→プロパティ→詳細設定→オートコレクト内に
チェックボックスをつけると変更できます。
Windows10ですと
コントールパネル→時計、言語、
および地域→言語→言語のオプションから入力方式のオプションをクリック。
詳細設定→オートコレクトのタブがあります。
○ 複合語の中黒
たまにお客様から聞かれるのですが、付ける付けない、付ける位置に決まりは無いですね。
ただ、作業上の問題ですね。未知語は機械が処理しづらいので。
例) ブルース・リーOK ブルー・スリーNG
技術文章に役者の人名は出てこないですね 😉
スポンサード・リンクOK スポンサー・ドリンクNG
お客との打ち合わせでよく使う営業ネタでした。
○ 。」句点とかっこの位置
最近は 」。の傾向が多くなっているようですね。
○ 翻訳の硬さと柔らかさ
たまにお客様から、翻訳の硬さや柔らかさをどのように
伝えたら理解できるかと聞かれます。
お伝えできる回答としましては、
良い表現と悪い表現のサンプルを2文以上提出してもらえないかと・・。
表現が2文以上あれば翻訳者は理解しやすいですね。
ちなみに当社は、基準となるスタイルガイドを保有しており、
必要に応じてお客様ごとにカスタマイズしております。
【英語で一言】
「そんなことしちゃダメじゃないか」 Isn’t it wrong to do something like that?
【語彙を増やそう】
虎穴に入らずんば虎子を得ず こけつにいらずんばこじをえず
危険をおかさなければ大きな成功はしないということ。
Nothing venture nothing have.
何の冒険もしなければ何も得られない。
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当社は、技術翻訳を専門としています。
いわゆる独立系です。
行動指針:日本から世界へ、世界から日本へ商品・サービスを提供する方々を応援します
対応言語:英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語(南米/欧州)、
オランダ語、ポルトガル語(南米/欧州)、ポーランド語、ロシア語、
中国語(簡体字/繁体字)、韓国語、ベトナム語、タイ語、タガログ語など
対応ファイル形式:Text、HTML、XML、RST、XLIFF
Adobe社 Illustrator、Photoshop、InDesign、FrameMaker
Microsoft社 Word、Excel、PowerPoint
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