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外出自粛⑨~休日の独り言~ 工業 科学技術 技術翻訳/取扱説明書制作

2020年5月9日(土)10:50 流山市 曇り 20℃ 南南西の風15km/h 湿度:52%

4月からの外出自粛&GWは、何故か世界史に興味が出てきて本を読んでいました。

アルファベットの歴史なる文献を目にしました。

古代エジプトで紀元前2000年前まで遡るそうです。

君主であるファラオたちは、戦争で勝利するたびに奴隷が増えていきました。

その奴隷に命令を伝えられなかったそうです。
エジプトの文字ヒエログリフ(神聖文字)が読めなかったのです。

そもそも古代の文字体系は、どれも難解で覚えるのが難しいです。
エジプト人でも複雑な文字を読めたのは一握りしかいませんでした。

遡ること4000年前のエジプト人は、奴隷とのコミュニケーションにおいてヒエログリフの簡略版を作りました。
これが多種多様なアルファベットの起源になったと言語学者の間で言われています。
やがて世界のあちこちで使用されることで古代人のコミュニケーション方法が大きく変わりました。

ヒエログリフの簡略版では、ひとつの文字で表すのは音だけです。
この方式により文字の数が数千から数十個までに減り、文字を覚えて使うことが楽になりました。

次第に複雑なヒエログリフは消えていき、その文字を翻訳できるようになるのは1799年にロゼッタストーンが発見されてからになります。

アルファベットの仕組みは、成功でした。
エジプトで奴隷になっていた者たちは、やがて故郷に帰る時に、この文字体系も一緒に持ち帰りました。
やがて近東に広まり、ヘブライ文字やアラビア文字など、この地域の様々な文字体系の基礎になりました。

その一方で古代文明のひとつを築いた海洋交易民族フェニキア人※1は、地中海沿岸で出会った人々にアルファベットを伝えました。
ギリシア文字とラテン文字は、この古代フェニキア文字を基礎にしたものです。
現在では、西洋の言語は英語も含め、大半がラテン文字を使用しています。

※1 地中海東岸に位置した歴史的地域名。シリアの一角を指します。

【余談】
フェニキア文字は、エジプトのヒエログリフが有力です。
その証拠の一つが、アルファベットの「Α」です。
ギリシア語では、「アルファ」と言いますが、
「アルファ」という言葉はギリシア語ではなんの意味ももたない単語だそうです。
「アルファ」は、セム語系で「雄牛」を意味します。
Αを逆さまにして見ると二本のツノが生えた逆三角形の顔立ちの牛の姿が見えるか見えないかは、あなた次第 😎
※セム語語系に入る言語には、アッカド語、バビロニア語、アッシリア語、アラム語、フェニキア語、ヘブライ語、アラビア語。

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